見たもの。思ったこと。

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【見ました】映画:十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたちを見ました。

映画館でみたいくらい気になっていたんですが、タイミングを逃して見れずじまい。でも最近Huluで配信開始になったので、今回ようやく見ることができました。

 

小説が原作としてあり、それの実写映画化ということ、またキャストに人気の若手俳優を多く起用したことで話題になっていた印象です。

新田真剣佑さん、橋本環奈さん、杉咲花さん、北村匠海さん…といった方々。

個人的にはあまり若手俳優さんに詳しくなく、みたことあるな〜くらいの方が多かったので、キャストの豪華さが映画を見る一番の理由ではありませんでしたが、多くの視聴者の興味を引いたことは間違い無いでしょう。

ちなみに私はただタイトルだけ見て、見たい!!となって視聴しました。

 

では、あらすじを紹介します。

ある日の正午、12人の子どもたちがある廃病院に集まります。子どもたち、とは言っても未成年の10代後半の人々です。彼らの目的は集団で安楽死をすること。それぞれ事情を抱え、生きていたくないという考えで、あるサイトにたどり着き、この日を迎えます。

ひとりの少年が、この安楽死をしたいと考える子どもたちを募るためサイトを管理し、集いの会場や安楽死に必要な道具などを調達しました。この彼は会場の鍵を開けるために1番最初に到着したので、1番と呼びます。

参加者は会場に着く前に金庫から番号札を順番に取ることがルールとなっていたので、皆事前に知らされていた手順に従い、番号札を手にします。

2番の札を取った少年が、正午前に会場に到着します。集いの会場は病院内の地下にある広い多目的ホールで、ホールの中央に12人が座ることのできる長いテーブル、それを囲うように円形に並べられた12人分のベッドがあり、それぞれのベッドには番号が割り当てられています。

中央のテーブルに着席している参加者はおらず、この2番の少年しか部屋にはいないように思えましたが、よくよく部屋を見てみると、1番のベッドに人が横たわって死んでいるのを見つけます。その後集まってくる参加者たちと話し合い、主催者である1番は一足先に実行してしまったのでは、という結論に至ります。正午になり、1のベッドに寝ているひとりを含めて12人が揃ったところで早速実行しよう!となった瞬間に、会場に1番と名乗る少年が入室してきたのです。

12人で実行するはずが、会場には13人います。しかもひとりはすでに実行している…。ベッドに横たわっているこの13番目は誰なのか?またどうしてここにいるのか?12人以外に知り得ないはずのこの集いに現れた13人目の存在によって、この集いはどうなってしまうのか?

 

というようなお話です。あらすじとしては長くなりすぎましたね、すみません。

 

まあこんな感じで謎を推理しながら、集団安楽死をするのか、しないのか…と進んでいきます。

参加者は個性的なので、キャラクター説明も加えておきます。

 

以下、ガッツリネタバレしてます。

 

見た目はよくイメージするいじめられっこ、のような人もいればヤンキー、ギャルと言われる見た目の人もいます。

簡単に13人の特徴と死にたい理由をまとめると、

1番:会場の廃病院の院長の息子。聡明な雰囲気や話し方をする今回の発案者。父親は鬱で自殺しており、その鬱の原因は母親が1番の兄と無理心中を図ったことが原因。死に取り憑かれている、と話す少年。

2番:いじめられて死を決意した少年。学校の先生からいじめられたことが始まりで、そこからエスカレートしたいじめに耐えられず、死を決意。空気の読めない発言をするため、いじめられるようになってしまったらしい。

3番:ゴスロリ服の少女。自殺したバンドマンを追い、死を決意。バンドマンの写真を常に携帯している。

4番:最初は帽子を深く被り、マスクをしているため顔がわからない。服装から、少女ということはわかる。変装を解くと、実は若手人気女優だった。作られた芸能人である自分に価値はないと感じ、本来の自分自身の価値を信じるからこそ死を決意する。

5番:眼鏡をかけた俯きがちな少年。理解力が高く、推理が得意。重い病気にかかっていて、先が長くないことがわかっているため、どうせ死ぬなら自分で終わりを決めたいと思って死を決意。後半は彼の推理によって、独壇場になる。

6番:真面目な優等生といった見た目、正義感の強そうな話し方。歪んだ形で父親を大切にしていて、自分にかけられている保険金を父親に受け取ってもらうことで、父親が一生自分を忘れないことを望んでいる。

7番:凛とした存在感のある少女。真っ黒な服装と長い黒髪で、ミステリアスな雰囲気もある。話し方は気が強いような、ハッキリした感じ。13人目が現れた原因に関わる人。小さい時に母親のタバコの消し忘れが原因で家が燃えて幼い弟が死んだ。なんのために生まれてきたのか、生まれてきた意味があるのか、という考えで生きることに抵抗することを世間に主張するために集団での安楽死を強く望む少女。

8番:どもりのある少年。緊張すると言葉がうまく出てこず、ぼぼぼぼ僕の名前は、という風に1番最初の音がでづらくなるタイプ。

9番:優等生タイプの爽やかな少年。昔から人並み以上になんでもできるタイプ。過去に殺人を犯しており、その罪悪感や後悔に耐えられず今回の集いに参加した。13番の存在に関わる少年。

10番:見た目がヤンキーのような少年。母親を憎んでおり、自分にかけられた保険金をどうしても母親に渡したくなくて、保険金がおりない条件でどうにか死にたいと考えている。

11番:ギャル。素直そうな明るい性格で、参加者との距離が近い。死の理由は口唇ヘルペスで、一生治らない病気だから死にたいらしい。この理由が明らかになった時、参加者はそんなことで?と言う人も居たけど、彼女に取っては大きな死の理由である。

12番:13番の妹。自分が兄を事故にあわせることになってしまった原因だと悔やんでおり、植物状態になってしまった兄と一緒に死にたいと考えている。事故の後遺症で左半身がかなり不自由。

13番:映画内ではゼロバンと呼ばれる。12番の兄。13番と自転車で二人乗りをしながら帰宅していた時、交通事故にあい、植物状態となる。

 

こんな感じですね。

みんなそれぞれに理由があり、結果として死を望みます。

 

 

この映画の感想としては、死がテーマなので暗いです。雰囲気も、照明も。基本的には13人目の参加者は何者か、なぜいるのか、実行するのか話し合いをしていく映画なので、地下の集い会場のシーンがかなり多いです。

だからこそ、話し合いの途中に地上階で活動したりして外からの光が入ってきたり、回想などで明るい映像が入るたびに眩しさをより強く感じます。

個人的には、死などに関する話をしているストーリーと、それとはかけ離れた外の明るさ、空の青さが映ると、なんだか胸がざわざわして、変な気分になりました。どう変なのか、という説明が難しいですが、どちらかというとネガティブな感情でした。ムカムカするとか、気持ち悪いという感覚に近いかもしれません。脳味噌が、この映画のあまりにも正反対な状況の演出を処理しきれなかったからかもしれません。

 

あとは新田真剣佑さん演じる5番が工藤新一かな?ってほどに名推理をかましまくるのがすごかったです。確か両親が警察官だから…といっていたような気がします。その理由づけは関係あるのかな?ってのもあるし、それにしてもすごいひらめきというか推理だな〜と感じました。

もちろん最初から色々な伏線がありましたし、明らかに怪しいアイテムが画面にどどんと映されるシーンもありました。もしかしたら、視聴者でも考えたら解決できたのかな。どうなんでしょ。

何にしても後半から終盤はとにかく5番の独壇場といった感じで、台詞量もかなり多かったです。

 

あと印象に残ったのは、4番の橋本環奈さんのセリフですね。当然橋本環奈さんは女優さんですが、4番というキャラクターも芸能人という設定です。姿を他の参加者に明かしたあと、3番のゴスロリ少女に、あなたのような芸能人は人に大きな影響を与えるんだから、死ぬべきではない、というようなことを言われます。

この台詞は、4番の死にたい理由そのものなんですね。本当の私はリョウコで、でも世間は芸能人のリコとしてしか見てくれない。でもリコは大人が都合よく作った偽物、幻想だ、と4番であるリョウコは考えているわけです。

橋本環奈さんは女優さんですし、リョウコはキャラクターですからまったく無関係なんですけど、個人的には少し切ないなーと思いました。

 

このお話の結末としては、5番がこの集いを中止しようと提案するんですね。どれだけ強い気持ちで死ぬことを決めたとしても、いざ死ぬ時に逆に生きていることをすごく実感して、生きたいと感じるのかなーと思いました。

でも、ここらへんの流れは強引、ってわけじゃないんだけど、なんとなく納得できないというか…私は子どもたちの考えの流れが掴みきれませんでした。

みんなそれまでに自分の抱える辛いことを明らかにしていて、とにかく死にたいってことばかり言うわけです。特に10番なんて、母親やその周りの人間に最終的には簡単に殺されてしまうって言っているし、中止してそんな環境に戻ってどうするんだろう。って疑問ですし、4番だって管理されてるスケジュールをどうにかすり抜けて来て、そうしてまで死ぬつもりだったのにまたつらい芸能界に戻っていくのか?って思いました。もちろん死ぬことが正しいとは思いませんが、救われるのかなって不安の残る最後でした。

 

映画だとやっぱり時間の都合だったり、収益の問題で詰め込まないといけない部分があると思うので、小説を読んでみたいなーと思わせられました。

 

ミステリーなので、結果がわかってるから当然かもしれませんが、またもう一度みたい、という風にはなりませんでした。

感想という感想もなく…まあ、見ましたっていうだけですね。

 

つぎは語りたい!と思えるような映画があれば記事にしようと思います。では。